- 転職活動で給与交渉はしてもいい?
- 給与交渉のタイミングは?
- 給与交渉で準備すべきことは?
筆者はこれまで7社を経験し、転職時の給与交渉で年収を40万円アップさせた経験があります。
また、筆者は外資系の転職エージェントでの勤務経験もあるので、それらの経験を基に給与交渉についてご紹介したいと思います。
転職の目的は『やりがい』『ワークライフバランス』『成長』など様々な目的があるかと思いすが、『年収を上げたい!』と思って転職する人も多いかと思います。
せっかく働くなら給与という面で自分をしっかりと評価してくれるところで働きたいですよね。
転職活動を進めていると、選考の終盤や内定のタイミングで企業から『あなたがうちにきた場合の給与はこれですよ。』という給与額を提示されます。
その際、企業から提示された金額に対して、『交渉の余地はあるのか?』という点は気になるところだと思います。
この記事では転職で年収を上げたいと考えている方に向けて、筆者の実体験を基に給与交渉のポイントや注意点についてご紹介していきたいと思います。
この記事を読むことで転職時における給与アップへの参考になるかと思います。
給与交渉はしてもいい?
そもそも転職の際に『給与交渉をすることはできるの?』ということについてお伝えします。
結論からお伝えすると基本的に『給与交渉は可能』です。
企業も年収交渉については慣れているので、給与交渉すること自体は問題ないです。
ただし、一歩間違えると給与のことしか考えていない人と思われるリスクもあるので慎重に行いましょう。
外資系企業などは以前から給与交渉の文化がありましたが、日系企業は給与が会社の規定によって決められている場合が多く、給与交渉をする余地すらないなんてことも多くありました。
しかし、最近では優秀な人材を確保することへの重要性が増していることから、人材確保に向けて給与交渉を容認する動きが出てきました。
あくまでも理想は内定時に出されるオファーレターに記載された給与額が希望通りになることなので、企業が希望通りの給与を提示してくれたら給与交渉をする必要はなくなります。
そのため、給与交渉は『提示額があまりにも希望とかけ離れている』『他社からもっと良い金額を提示された』といった場合にのみ使う最終手段になります。
給与交渉をすれば必ず給与が上がるというわけではないということを念頭においておくようにしましょう。
給与交渉で年収が上がったら有難いくらいの気持ちで臨むといいかと。
オファーレターとは、採用する旨の通知や労働条件(給与や部署、役職など)が記載された書類で、最終面接をクリアし、内定が決まった時に企業から発行されるものです。
*中途採用の給与の決め方についてはこちらの記事をご覧ください。
給与交渉のタイミングはいつ?
では、『給与交渉はいつおこなえばいいのか?』という点についてお伝えしていきます。
給与交渉は、内定後に給与などの就業条件を企業から提示されたタイミングで行うのがベストだと思っています。
転職活動において内定が出るまでは、採用側の企業が有意な立場にあります。(本来は対等でなければいけないんですけどね。)
選考を経て、相手から『ぜひうちの会社にきて欲しい』と内定が出て初めて応募者が有利の立場に転換します。
内定のタイミングで希望する給与が提示されることが理想的ですが、希望通りの給与ではなかった時に初めて『給与交渉』を行うという選択肢が出てくるのです。
たまに『内定が出る前の面接で行いましょう』なんて書いてあるところもありますが、内定前に給与交渉をおこなうのは絶対にやめましょう!
面接時に伝えるのは現在の年収や希望する年収のみです!交渉はしない方がいいです!
面接の段階で給与交渉をしてしまうと、『お金のことしか考えていない』と思われてしまい、勤労意欲を疑われてしまう恐れがあります。
もしも、面接で給与を打診された場合は『一旦考えさせてください』といった感じで濁し、その場で承諾しないようにしましょう。
また、入社したいが為に自分を安売りすることも避けましょう!
『いくらでも大丈夫です!』『年収が多少下がっても構いません』などと面接のタイミングで言ってしまうと、そこから給与を上げることは難しくなってしまうので。
筆者は転職エージェントからオファーレターを渡され、給与などの就業条件を確認してから給与交渉を行いました!
給与交渉を成功させるためのコツ6つ
ここからは給与交渉を成功させるためのコツを6つご紹介していきたいと思います。
- 希望額の根拠を用意する
- 応募業界の給与相場を確認する
- 応募企業の給与水準を確認する
- 複数の会社の選考を受ける
- 希望額はロジカルに伝える
- 転職エージェントに代理で行ってもらう
コツ1:希望額の根拠を用意する
ひとつ目のコツは自分が希望する給与に対する根拠をしっかりと用意しておきましょう。
もっとお金が欲しいという気持ちだけでは交渉を成功に導くのはなかなか難しいものです。
そこで希望額の根拠となる材料をしっかりと用意しておくことをおすすめします。
根拠の材料としては、これまでの経験や実績を洗い出します。
実績やスキルは『リード獲得において目標の120%を達成した』など、具体的な数字に落とし込んでおくといいでしょう。
給与交渉を成功させるためには企業を納得させる根拠を用意しておくようにしましょう!
自分のキャリア上の強みやアピールポイントがよくわからないという場合は、キャリアのパーソナルトレーニングを活用してみるのもありです。
ポジウィルキャリア等のキャリアのパーソナルトレーニングを活用することで、自分では気付かなかった思わぬ強みやアピールポイントを知ることができます。
*ポジウィルキャリアについてはこちらの記事をご覧ください。
コツ2:応募する会社の業界の給与水準を確認する
2つ目のコツは、応募する会社の業界の給与水準を確認することです。
業界の給与水準を事前に知っておくことで、提示された給与が業界の給与水準と比較してどのくらい違うのか把握できます。
提示された給与が業界の水準とかけ離れているなんて場合は、その情報を材料に交渉することができるというわけです。
業界の給与水準を調べるためには、応募する会社の競合の求人票を転職サイトや転職エージェントなどで確認するといいでしょう。
競合が同じポジションの求人をどのぐらいの給与で出しているか知ることで、相場が分かります。
また、業界の給与水準はdodaの業種別平均年収ランキングが参考にするといいでしょう。
*転職サイトから業界の給与水準を確認する場合はこちらの記事が参考になるかと思います。
コツ3:応募する会社の給与水準を確認する
3つ目のコツは応募する会社の給与水準を確認することです。
応募する会社の給与水準を把握しておくことで、自分の給与が会社の給与水準からかけ離れていないか確認することができます。
応募する会社の給与水準を確認する方法の一つは、応募する会社の別ポジションの求人を確認することです。
応募する会社がさまざまなポジションで採用を行なっている場合は、自分が応募するポジション以外の求人票を確認し、別ポジションの給与からその会社の給与水準を知ることができます。
それ以外にも口コミサイトなどを利用して給与水準を確認するといいでしょう。
転職会議などの企業の口コミサイトでは、年齢や職種に応じた給与が記載されている場合があります。
匿名のため、信憑性にはやや欠けますが、これまで私が所属していた会社のことも概ね合っていたので、参考までに確認するといいかと!
業界の給与水準だけではなく、応募する会社自体の給与水準も確認しておくといいでしょう!
コツ4:複数の会社の選考を受ける
4つ目のコツは複数の会社の選考を同時並行で進めていくことです。
複数の会社を同時に受けるのは時間的にも労力がかかり、避けたいと思うかもしれません。
ですが、複数の会社を受けることで就業条件の比較が可能となります。
また、複数の内定を得ることで『複数の会社から必要とされている人』という評価になり、給与交渉もしやすくなります。
ラーメン屋を想像すると分かりやすいかと思います。
全く同じ味のラーメン屋が2店あったとして、『並んでいるラーメン屋』と『並んでいないラーメン屋』のどちらが美味しそうに見えますか?
なんとなく並んでいるラーメン屋の方が美味しそうに映りますよね?笑
この原理と同じで、複数の会社から内定をもらっている人の方が会社からは魅力的に映ります。
そこで、他社から提示されている給与の方が高かった場合、その金額を材料に交渉することができるんですね。
なんとなく、『御社のみを受けています!』と言った方が一途でいいような気がしますが、採用側の視点からみると複数から評価されている人の方が魅力的に映るということなんですね。
私も以前は『御社にしか興味がないので、御社のみを受けています!』なんて言ったりしていましたが、そういう時こそ落とされていた気がします。笑
コツ5:希望額はロジカルに伝える
5つ目のコツは希望額をロジカルに伝えることです。
『希望する年収は◯円で、前年の年収が◯円だったので◯%アップを希望しています。』という感じで相手に納得してもらえるように伝えることが大事です。
その際には『基本給が◯円、残業代が◯円、賞与・インセンティブが○円の合計◯円』といった希望年収の詳細も言えるようにしておくといいでしょう。
提示された給与額が業界水準等と照らし合わせて少し低かったので、もう数%給与を上げてほしいと転職エージェント経由で依頼し、給与を上げることに成功しました!
コツ6:転職エージェントに代理で給与交渉してもらう
6つ目のコツは給与交渉を転職エージェントに代理で行ってもらうことです。
転職エージェント経由で応募すると内定後の給与交渉も代理で行ってくれます。
転職エージェントは日々給与交渉を代理で行なっているので、給与交渉をすべきか、もしくはどの程度の金額までだったら交渉できそうかなどの判断をしてくれます。
そこで『提示額が相場に対して少ない場合』や『優秀で引き合いのある人材』には、本人に変わって給与の増額交渉をしてくれるのです。
また、転職エージェントに代行してもらうメリットとして、会社にネガティブな印象を持たれるリスクを減らせるということがあげられます。
転職エージェントを利用することで会社と直接給与交渉をしないで済むので、ネガティブな印象を持たれるリスクを回避できるんですね。
筆者の場合、最初に転職エージェントに給与交渉をする余地があるか確認をしました。
そこで、転職エージェントが給与交渉の余地がありそうだと教えてくれたので、再度希望する条件を伝え、給与アップの交渉を代行してもらいました。
自分ひとりだと企業側の様子が全く分からないので、企業の様子を転職エージェントで確認できるのはかなり便利でした!
*転職エージェントの選び方はこちらの記事をご覧ください。
給与交渉の注意点4つ
ここで給与交渉をする際の注意点もお伝えしておきます。
- 自分の能力を過大評価しない
- 希望額はやんわり伝える
- 給与交渉が成功しなくても落ち込まない
- 入社する意思がある時のみ交渉する
注意1:自分の能力を過大評価しない
自分の能力を過大評価し、必要以上に給与アップを希望したりすると、給与交渉に失敗するどころか、会社からネガティブな印象を持たれる恐れがあります。
これまでの実績やスキルを応募企業に伝え、自分がいかに貢献できるか根拠を持つことは大事とお伝えしましたが、交渉をする時の根拠が弱いと『自分を客観的に評価できていない』などとかえってマイナスに評価されてしまう恐れがあります。
根拠を伝える時は業界や企業の給与水準と照らし合わせて、これまでの実績を具体的に落とし込んで伝えるようにしましょう!
注意2:希望額はやんわり伝える
実際に給与交渉を行う時は、希望する給与をやんわりと伝えることをおすすめします。
これから働くかもしれない会社から入社前に印象が悪くなるのは避けたいですよね。
あまりにも強気に『最低希望額は◯円です』というような言い方をしてしまうと、自分の印象を悪くしてしまう恐れがあります。
希望額を伝える時は『◯○の理由から◯円を希望します』というように希望をやんわりと伝えるようにしましょう。
注意3:給与交渉が成功しなくても落ち込まない
冒頭にお伝えした通り、給与交渉は最終手段です。
企業が内定を出すということは社内での承認をすでに得ているということになり、給与をさらに上げるためには再度承認を得ることが必要になってきます。
そのため、基本的に内定時に提示される給与から上げることは難しいと思っておくことが重要になります。
日系企業は特に承認プロセスが多いので、難しい傾向にあるのは事実です。
他方で権限が移譲されている外資系企業やベンチャー企業などは、承認プロセスの多い日系企業より給与交渉が成功する確率が高くなります。
受ける会社によって給与交渉の成功率は異なってくることを把握しておきましょう!
*外資系企業の特徴についてはこちらの記事をご覧ください。
注意4:入社する意思がある時のみ交渉する
給与交渉は入社したいという意思が明確にある時のみ行うようにしましょう。
決して『どのくらい上がるか試してみたい』などという軽い気持ちでは行わないように注意しましょう。
給与交渉は『◯円まで給与を上げてくれたら入社します。』という入社意思がベースになってきます。
会社や代理で給与交渉をしてくれる転職エージェントも、気持ちよく入社し活躍してもらうことを前提に給与交渉に応じてくれます。
そのため、給与交渉は入社の意思が明確にある時のみ行うようにしましょう!
転職エージェントを利用する時も『給与が○円になったら入社します』という意思表示をすることで、給与交渉を頑張ってくれますよ!
給与交渉で年収をアップさせましょう!
ここまで読んでいただいた方は給与交渉のコツや注意点について把握できたかと思います。
ここでもう一度おさらいしましょう!
- 希望額の根拠を用意する
- 応募業界の給与相場を確認する
- 応募企業の給与水準を確認する
- 複数の会社の選考を受ける
- 希望額はロジカルに伝える
- 転職エージェントに代理で行ってもらう
- 自分の能力を過大評価しない
- 希望額はやんわり伝える
- 給与交渉が成功しなくても落ち込まない
- 入社する意思がある時のみ交渉する
転職における給与交渉は、伝え方を間違うとネガティブな印象を持たれるリスクがありますが、準備をしっかりと行い、これまでの実績やスキルといった根拠を明確にすることで給与アップに成功する可能性が上がります。
自分ひとりで給与交渉をする自信のない方は転職エージェントを利用して代わりに交渉してもらいましょう。
せっかくの転職なので、給与交渉をすることで少しでも良い給与で入社できるよう目指していきましょう!